祐ちゃんのフィリピン日記その2
その土地土地で受けるもの、受けないもの(ここでは音楽という事にしよう)が存在する事はいたしかたない。
環境が、季節感が、文化が、又言葉のリズムで、その国の音楽、芸術の好みは決まり、
おおげさに言うと、そこに生活する習慣や生き方、人生感も決まってくる。
(住んでいた訳ではないのでいいかげんな事は言えないが、二ヶ月いたので何となくは理解出来たような・・・・・)
ホンのたまぁ〜にフィリピンと間違われたこともある祐チャンでも(ホットケ!)、
現地の人の目から見たらやはりどう頑張ってみても日本人に見える。
(頑張ってドースル)
彼等から見ると僕らはジンガイ(外人)であり、
僕らから見ると、周りはジンガイだらけとなる。
そのジンガイが物珍しいのか、
あちこちから色んな人が色んな情報をリークしてくれる。
「○○○○知ってるか?あのコンサートはつまらなかったぞ!」
「○○のライブは何を言いたいのか我々にはワカラナーイ!」
等と日本では著名なミュージシャンであってもその評価は容赦が無い。
「渡辺貞夫を知っているか?渡辺香津美とは兄弟なのか?」
福田 「ソーダソーダ!良く知ってるな」
コラいいかげんなこと言うな福田!
この二人渡辺はこっちでも有名で、
素晴らしいミュウジシャンとしても認められている。
ある晩連れて行ってもらったフィリピンのパブ(日本のフィリピンパブとは違うヨ)でも、
渡辺香津美のレコードがかり、DJが盛んに紹介していた。
こちらではどんな音楽が流行っているのだろうか?
TVを見れば大体の流行り音楽は分かる。
Popsが一番多く、タガログ語で歌われている音楽も正に洋楽の影響をかなり受けていた。
日本と同じである。
ではJazzどうだろう?
こっちではどんなJazzが流行っているかと言うと、
日本ではモダンジャズと言われている4beatモノはメインストリームという呼ばれ方をしていて、
どっちかと言うと古いスタイルの範疇に入っている、
こちらでJazzと呼ばれているモノは日本で言うところのFUSION(フュージョン)だ。
そして僕が偉大に思っているここで言うメインストリームなJazzはこちらでは余り流行っていない。
というかスイングスタイルの後のモダンジャズが無いのではないか〜?
と判断できるぐらいに・・・・・。
それもおそらくは気候、国民性によるものであろうと想像する。
こう言っては御幣が有るかも知れないが、
インテリジェンスな物を好む人は少ないようだ。
小難しい音は好まれない。
その証拠に、日本ではフュージョンは幅広いが、
こちらでは好かれる音楽の幅は決まっていてそんなに広くない。
始終掛かっていたのを思いだして見ると、
アルフォンソムゾーンのアルバム、
スパイロジャイラ、グローバーワシントンJr、等々
後は思い出せないが大体の好みはこれで解る。
日本で人気の有るウェザーリポートは知っている人すら少ない。
これは驚きだ!あんなカッコ良いバンドが知られていないなんて!
そして勝手に想像するに、
単純に楽しませるか、泣かせてくれ!
さもないと我々は認めないぞー!と言う国民性が想像出来る。
暑い国柄、とにかくその日一日美味しいビールが飲めるだけでとても幸せなのだ。
ほんとに勝手な事を書いているが、その時にそう思った。
へんにインテリジェンスな音楽は、
また中途半端なMUSICは余り聴かれていないと思うのであった。
全てとは言わないが!・・・・・
フィリピンJazz著名keyboard「ボーイカティンディグ」
父がJazz・・・・・じゃなかった、向こうで言うメインストリームJazz ピアニストであり、
ラジオでの音楽番組をも持つボーイは、
現に道行く人の大体がそんなボーイの名を知っている。
日本で著名なカシオペア(Casiopea)向谷 の比ではなく、
音楽好きの多さも日本の比ではない。
ある日、仕事もないままダラダラと練習したり、
ブラブラととしていたILLUSION(バンド名)。
ある日たまに遊びに来て我々と一緒にギグして遊んでいったギタリストのルディーは、
ボーイカティンディグのバンドのギタリストであったことから端を発し、
ボーイが1日だけのドラマーのトラ(エキストラ)を探している!
っという願ってもない話をルディーが持って来てくれた。
ナゼかギグ(演奏日)その日に、レギュラーのドラマーがつかまらないらしい。
当日来る可能性は無きにしも有らずで、念の為、と言う事らしい、
ギャラはそこそこと出ると言うし、
断る理由は無い・・・(何を強がってるのだ)・・いやむしろ楽しみだ!
当然受ける。
トニーを始め、ここサンタメサ周辺では 「ナカーノ がボーイカティンディグと演るョ」
という噂は即広まった。
当日車に乗せて行ってもらい現場へ、セットはそこのセットを使う、
結構ボロだがしょうがない、
セッティングしているとボーイ他メンバーが集まって来る、
この話を持って来てくれたギタリストのルディーが皆に紹介してくれた。
一人一人と握手しながら分かち合う。ボーイは中々男前だ。
挨拶もそこそこに速リハに入る。
「ナカ〜ノ 」「Yes」「you know〜?」といってボーイはメロディーを何曲か弾き出し、
「I know」と答えた曲のリストにチェックを入れていく。
譜面はボーイの簡単なオリジナルで使われた超簡単なメモぐらいしかない。
他のメンバーも譜面など見ない。
おそらく彼らはレパートリーの全てを身体の中に入れているのであろう。
以前、岡山のキャバレー時代、と思われるチェンジバンドのフィリピンの連中が、
流行の曲を次々にコピーし、店で披露していた。
おそらく彼らは耳コピーして覚えるのであろう。
そのごシェーキーズやらホテルやらでフィリピンバンドを鑑賞する機会があったが、
譜面を前に演奏するのを見たことがない。
おそらくは譜面を読める人はかなり少ないと思う。
譜面を頼りにしすぎるよりも勘が鍛えられる耳コピの方法は、
断然音楽的な学び方だと思われる。
しかし・・・・・この難曲を明日披露しなければならない。
あるいは初めて聴く数曲を数時間後に披露する、いわゆるライブにおいては譜面はとても都合の良い存在なのである。
ただ!・・・・・頼りすぎると感性は成長しなくなる。
それと大好きなチックコリアのスペインも演る事になる。
当然ドラムソロ付きだ!
本番が始まり、そして数曲を何無くこなし滞りなくステージは進んだ。
そしてこのステージラストを飾るのは・・・・・SPAIN(スペイン)!
テーマが終わって、ギター、キーボード、とソロが進み次はオイラだ、
ボーイがソロを弾き終えこっちを向き笑いながら「ヘイ!ナカーノ!カマーン、カマーン!」
メンバーもこちらを期待の目で見ている。
「えい、ままよ」とソロに入って行く。
良くあることだが終わった後の演奏、特にソロに関しては殆ど憶えていない事がたまにある。
この時もそうだった。
でも終わった瞬間に、良かった!余り良くなかった!という感触の記憶しかない。
(良くなかった時は覚えているのである)
SPAINはどうだったか・・・・・?
良かった筈だ!
それは周りを見れば分かる。
皆がスタンディングオベーションだったからだ。
ある程度の満足感のうち演奏が終る。
メンバーとも笑顔でシェイクハンドだ。
国柄か国民性か、こっちの聴衆は喜怒哀楽を体で表現する。
終ってから話し掛けてくるのに遠慮はいらない。
皆握手を求めてくる。
タガログ(フィリピン語)で良く解らない、
きっと「良かった良かった!」
と言っているのだろう。
怒っていない事は確かだ、顔が笑っているからなぁ、
怒りながら笑うのは竹中直人の芸でしか僕は知らない。
そして2ステージ目が始まろうとしたその瞬間ドラマーが現れた。
自己紹介をし合い、
当然2回目以降のセットをオリジナルドラマーであるエディーに譲り、
高みの見物とシャレ込んだ。
そしてこのエディーのドラミングがまた凄かった・・・ガァ〜!・・ 続く・・・・・

